服についたシミは、早めに対処することが大切です。
しかし、時間が経ってしまったシミでも、「もう無理かな」と諦めるのはまだ早いです。
正しい方法を用いれば、古いシミも取り除くことが可能です。
そして、シミの種類に合わせた方法を知っていると、より効果的に対処できます。
この記事では、放置した服のシミを除去する方法と、汚れの種類別の対応策についてご説明します。
長期間放置した服の時間がたったシミの取り方:種類別対策も詳しく紹介
シミへの応急処置
誰でも一度は経験する、うっかり服につけてしまうシミ。
シミができたら、何よりもまず「広がらせない」ことが重要です。
シミができた後によくある行動として、おしぼりやウェットティッシュで拭いたり、水をかけたりすることがあります。
しかし、これらの対応はシミを広げてしまうことがあります。
そのため、水や洗剤を使う前に、乾いた布やティッシュペーパーで押さえて、液体や油分を吸い取ることが肝心です。
時間がたったのシミへの対処法
最近できたシミは、どのような汚れか特定しやすく、対処方法も見つけやすいです。
しかし、長い時間が経過したシミは、その原因が分かりにくくなります。
時間が経ったシミは、一般に取り除くのが難しいとされています。
これは、汚れが繊維の奥深くに浸透したり、シミの成分が変わってしまったりするためです。
特定できないシミに対する基本的な対処法は、「シミが油性か水性かを判断すること」です。
まず、アルコールやベンジンなど油性の汚れに効果的な溶剤で試してみます。
これでシミが落ちれば油性の汚れです。落ちない場合は水性の汚れと判断できます。
シミの種類が判明したら、それに合わせた方法で処理を行います。
油性シミの除去方法
- アルコール、ベンジン、クレンジングオイルなどを使ってシミ全体を拭き取ります。シミを広げないように、外から中心に向かって拭くようにします。
- 薄めた洗濯用洗剤や食器用洗剤を使い、シミを拭き取ります。
- シミの部分をぬるま湯でやさしく手洗いします。
- 最後に洗濯機で洗います。洗濯表示に従った洗い方を選んでください。
水性シミの除去方法
- 薄めた洗濯用洗剤や食器用洗剤を使い、シミを拭き取ります。
- シミの部分をぬるま湯でやさしく手洗いします。
- 最後に洗濯機で洗います。洗濯表示に従った洗い方を選んでください。
染み抜きに役立つ日用品
●普段使いの衣類洗剤
日常的に使っている衣類洗剤は、シミ除去にも有効です。通常の洗濯で落ちないシミも、手洗いやつけ置き洗いによって取り除くことができる場合があります。
●キッチン洗剤
キッチンで主に使用される洗剤は、シミ取りにも便利です。これは中性で、衣類洗剤に比べると洗浄力は穏やかですが、醤油やソースなど多様な汚れに効果的です。シルクやウールなどのデリケートな素材にも使えるため、様々な場面で活躍します。
●クレンジングオイル
油性のシミには、クレンジングオイルが特に効果的です。油を使って油性の汚れを溶かすという原理で作用します。ただし、使用する際はクレンジングジェルやクリームではなく、オイルタイプを選ぶことが大切です。
●ネイルリムーバー
油性のシミはもちろん、マニキュアや接着剤など特定の汚れにも有効なアイテムです。ただし、アセテート素材など特定の素材には使用を避ける必要があります。これらの素材に使用すると、溶解してしまう恐れがあります。
さまざまなシミの落とし方
●醤油やソースのシミ対策
醤油やソースによるシミは水性の汚れです。これらは洗濯用洗剤や食器用洗剤で取り除くことができます。
①薄めた洗濯用洗剤や食器用洗剤を使ってシミをたたいて落とします。
②シミがついた部分をぬるま湯でやさしく手洗いします。
③最後に洗濯機で普通に洗濯します。
※洗濯表示を確認し、適切な洗濯方法を選んでください。
●ミートソースや焼き肉のタレのシミへの対応
ミートソースや焼き肉のタレのシミは、油性と水性の成分が混ざっているため、特別な手順で取り除く必要があります。まず油性の汚れを取り除いてから、水性の汚れを処理します。
①クレンジングオイルを使ってシミ部分を叩きます。
②薄めた洗濯用洗剤や食器用洗剤でシミ全体をたたきます。
③シミ部分をぬるま湯でやさしく手洗いします。
④最後に洗濯機で洗います。
※洗濯表示に従い、適切な洗濯方法を選んでください。
●ファンデーションのシミ取り方
ファンデーションのシミは油性汚れなので、油溶性の方法を用います。
①クレンジングオイルを使ってシミにたたき込みます。
②薄めた衣類用洗剤や食器用洗剤でシミ全体を拭いていきます。
③シミがある部分をぬるま湯でやさしく手洗いします。
④最後に洗濯機で洗濯します。洗濯表示に従い適切な洗濯方法を選んでください。
●ボールペンや油性マーカーのシミ取り方
ボールペンや油性マーカーのシミも油性の汚れです。
①クレンジングオイルやアルコールを浸した綿棒でシミに当てます。
②薄めた衣類用洗剤や食器用洗剤を使ってシミを拭いていきます。
③シミのある部分をぬるま湯でやさしく手洗いします。
④仕上げに洗濯機で洗濯します。洗濯表示に従って適切な洗濯方法を選んでください。
●血液のシミ取り方
血液のシミは主に水性の成分から成ります。
①薄めた衣類用洗剤や食器用洗剤でシミを拭きます。
②シミのある部分を水かぬるま湯でやさしく手洗いします。血液のタンパク質は高温で固まるので、新しいシミの場合は熱いお湯を避けてください。
③最後に洗濯機で洗濯します。洗濯表示に従って適切な洗濯方法を選んでください。
●泥汚れの取り方
泥や砂の汚れには、弱アルカリ性の粉末洗剤を使ったつけ置き洗いが効果的です。洗濯洗剤には様々な種類があり、それぞれの洗浄力も異なるため、どの洗剤を選ぶかがシミ取りに重要です。また、泥汚れは時間が経つと取りにくくなるので、早期の処理が大切です。
①40度のお湯1リットルに弱アルカリ性粉末洗剤5グラムを入れて、20~30分ほどつけ置きします。
②その後、汚れた部分をこすり洗いやもみ洗いでしっかりと処理します。
③最後に洗濯機で普通に洗濯します。
※洗濯表示を確認して、適切な洗濯方法を選んでください。
●ワイシャツの袖口の汚れ対策
シャツの襟や袖口の皮脂汚れには、中性の液体洗剤を直接塗ると良いでしょう。皮脂汚れは垢やホコリを吸着し、繊維に深く入り込むため、定期的な洗濯が有効です。
①中性液体洗剤を汚れた箇所に塗ります。
②洗剤が染み込んだら、歯ブラシでしっかり洗います。
③40度くらいのお湯で汚れをもみ洗いします。
④最後に洗濯機で洗濯します。
※洗濯表示に従って適切な洗濯コースを選んでください。
長期間放置した時間がたった服のシミの取り方!まとめ
シミは早めに処理することが大切ですが、時間が経過したシミも丁寧に処理すれば取れることが多いです。
水性と油性の汚れの区別を理解し、それぞれに合った方法で対応することが日常生活で役立ちます。